01
Sep
2023
Audi Q8 試乗編
2023.9.1
Audi Q8 55 TFSI quattro S line+comfort assistance packageを試乗した模様をレポートしよう。
今回は一般道と高速道路を試乗することができた。
●運転席の感覚
大型SUVなので運転席に座ると高い目線と視界が確保されている。また、フロントガラスも大きいため、死角は少なくボンネットも見えないので圧迫感は少ない。
また、前編でもお伝えしたが、水平基調のスマートなインテリアパネルと物理ボタンが最小限にされたデザインのため、Audi デザイン言語に沿ってまとまっている。
Audi Q8はLuxury package または S line packageを選択すると、車内に17スピーカーが配置される「Bang & Olufsen 3D サウンドシステム」が装備される。車内に居ながらコンサート会場のような臨場感あふれる音響を楽しむことができた。試乗車でデモンストレーションができるのであれば、ぜひ体感してほしい。
●走りを体感
まずは一般道を走行してみる。スタート・ストップが多い中、2,000kgを超える重量の車両がどんな反応するか確認してみた。
発進時は、V6 3.0ℓのTFSIエンジンとともに48Vマイルドハイブリッドのアシストが介入し、アクセルペダルを軽く踏んだだけでもエンジン回転数も低いままスムーズに発進ができた。イメージは「アクセルペダルを踏むと一呼吸おいてからエンジン回転数が上がって発進」だったのだが、ミドルサイズのAudiモデルを運転しているような感覚であった。
そして加速の際はFWD(前輪駆動)モデルとは異なり、quattroシステムによる前後比率の変化によって後輪から押されるような感覚もあり、安定して加速ができた。
また、減速時は20km/h手前でエンジンが停止。アイドリングストップした状態で車が停止し、燃費向上にもつながる仕組みだ。またマイルドハイブリッドによってスタート時のエンジン始動もスムーズに行われ、意識していないとエンジン始動のタイミングや振動など気づかないレベルだろう。
また、電子制御8速ディプトロニックトランスミッションによって発進後の素早い変速が行われ、アクセルペダルを強く踏まない限りは変速ショックをほとんど感じなかった。
次に高速道路を試乗してみる。
まず高速道の本線に合流時など加速する際、エンジン低回転から発生するトルクによってある程度アクセルペダルを踏むだけで一気にスピードに乗ることができた。こちらも3.0ℓV6エンジン+48Vマイルドハイブリッドのアシストによるものだろう。
むしろ、初めてアクセルペダルを踏んだ時は踏み過ぎて急加速してしまったほどだ。
また、追い越しなどの中間加速においても最大500Nm発生する力強いトルクによって、エンジン回転数を高めることなく加速ができた。
48Vマイルドハイブリッドが搭載されているため、アクセルペダルを離した状態のコースティング(惰性走行)時には、クラッチが切られエンジンブレーキが発生しない状態を保つことができる。そのため速度が下がりにくい走行ができる。
さらにその状態が続くとエンジンが自動停止し、さらなる低燃費走行ができるようになる。その際もエアコンはONの状態でステアリングの油圧が切れることもないので、メーターを注視しないとエンジンが停止したことに気づかないかもしれない。
なお、加速や減速をするためにアクセルやブレーキペダルを踏んだ場合はエンジンが即座に再始動する。
なお、Audiドライブセレクトによって、エコな運転からスポーティな走りまで自分好みのドライブが楽しめる機能もあり、1台で複数の車種を運転しているような味わいができる。
試乗の際は、一般道でぜひスタート時の加速感。その時の車のレスポンスの良さを体感してほしい。
●アダプティブエアサスペンション
今回の試乗車には「アダプティブエアサスペンション スポーツ」がS line packageに装備されている。先にも紹介したAudi ドライブセレクトを使用して早速変化を確認してみた。
Off Roadモードにした際の車高を撮影してみた。かなり高い位置にボディがあるのがわかるだろう。通常使用するシーンは少なそうだが、雪道など凹凸が多い路面を走行する場合などでは重宝しそうだ。
こちらはDynamicモードにした際の車高。低めのセッティングで高速域でも安定した走行ができそうだ。
これはAuto、Comfort、Efficiencyモードにした場合の車高だ。日常使いにおいてバランスのとれた車高だろう。
試乗車で実際にアダプティブエアサスペンションが操作できる場合は、モードを変更してそれぞれの車高を実際に見てみるのも楽しいだろう。なお、車高を変更する場合は写真の車高操作をタッチして数十秒待つだけだ。
●セーフティ機能
Audi Q8では多くの安全機能が装備されている。今回の試乗ではすべての機能を体感できなかったが、いくつか便利で且つ安心する機能をご紹介しよう。
「アウディサイドアシスト」は後方から自車を追い抜こうとする車両が死角にいる場合、ドライバーに警告。写真のようにエクステリアミラー(ドアミラー)のLEDが点灯する。
点灯した状態でウィンカーを出した(車線変更しようとした)場合はLEDが点滅し警告してくれる。(コンフォートアシスタンスパッケージとしてセットオプション)
「サウンドビューカメラ」は車両にある4台のカメラを使用して360度3Dビューで表示することができる機能。車両を上から見ているような画像だけでなく、車外から車を見ているような画像をMMIナビゲーション画面で確認することができる。狭い場所や車両を停める位置などを確認するときに自身が車外にいくことなく確認できるのでかなり重宝できる機能だ。
ほかにも基本機能であるクルーズコントロールやアダプティブレーンアシストなどの機能が備わっているアダプティブドライブセレクトは標準装備となっている。
試乗車で機能が装備されている際は、ぜひ体感してほしい。
前編後編にわたって美しいAudiならではのデザインがありつつ、SUVらしいスタイルを持つAudi Q8の魅力をお伝えした。スタイルはもちろん、3.0ℓTFSIガソリンと48Vマイルドハイブリッド、quattroシステムが組み合わされた力強い走行が可能であることもお分かりいただけたかと思う。
ぜひショールームにて実車を見てその美しさと力強さを体感してほしい。
●車両スペック
Audi Q8 55 TFSI quattro S line+comfort assistance package
ボディカラー:グレイシアホワイトメタリック
・コンフォートアシスタンスパッケージ
・S line plusパッケージ
・ブラックAudi rings & ブラックスタイリングパッケージ
・ドアエントリーライト
装備はグレードによって異なります。また、モデルイヤーによって装備が異なる場合があ ります。各装備や安全機能の詳細はAudi JapanのWebページをご確認ください 。(https://www.audi.co.jp/)
Photos & Text by HY/Audi Japan/Audi AG.